「堺刃物」の伝統を継承。包丁・ナイフ・篆刻刀・各種刃物の製造販売


更新情報やスタッフからのメッセージをお届けします。

”芦刃物あれこれ”

芦刃物あれこれ(8)〜アメリカからの訪問客 (17/04/19)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


いまからおよそ10年前、包丁の勉強をするために芦刃物製作所へやってきたアメリカ人がいました。

彼の名前はShehan Prull(シハン・プルール)。

彼は非常に勉強熱心でわずか1年半ほどで包丁の作り方を覚え、独学で日本語を話せるようになっていました。


先日、そのシハンが5年ぶりに日本を訪れてくれました。

彼は幼いころから鍛鉄(鉄を叩いてアート作品や看板を作る技術)を学んでいたので、その仕事の丁寧さと技術の高さは逆に私たちが勉強させてもらうほどです。

今回の来日でも堺の知り合いに看板の製作を頼まれて、その製作をするために毎日のように芦刃物へ来てくれました。

せっかく日本に来たのだから観光でもすればいいのに…とも思いましたが、そこが彼のいいところなのです。笑


「最近、アメリカに新しい工房を構えて包丁を製作しています」と希望に満ちた笑顔で彼は話してくれました。

彼の住むサンタフェという町は多くのアーティストが在住しており、街のいたる所にアート作品が置かれている地域でもあるらしいのです。

近いうちに芦刃物の海外出張レポートが書けたらなぁ…なんて勝手に妄想しております。


ありがたいことにお客様、取引先様を問わず芦刃物では多くの海外の方と交流をさせていただいています。

世界の広さを実感するとともに、日本の包丁が海外でも認められているという現状に慢心せず、責任感を持って仕事に取り組まなければということをシハンが改めて教えてくれたような気がします。


彼の作品は芦刃物製作所や堺伝統産業会館などに展示されているので、もしよかったらご覧ください。


【Shi.han Fine Knives】
http://www.shihanfineknives.com/



(芦刃物 ホリバ)




2017/04/19  Comments(25) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(7)〜技術 × テクノロジー (17/03/13)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


先日、芦刃物製作所は「匠の技術承継事業」というプログラムに参加しました。 

これは熟練の職人の動きをデータ化して、後継者育成に役立てようという試みです。

今回、芦刃物では入社1年目から職人歴50年を超える熟練者まで5人の職人が、最新の機器を身に着けて包丁を研ぐ際の姿勢や体の動かし方、目線などを計測しました。


職人の仕事というと「背中を見て覚えろ」というイメージがあるかもしれません。

かつては私もその覚悟でこの世界に飛び込んできましたが、教育面に関して芦刃物製作所では非常に親切な指導をしてもらっています。

刃物の世界とは全く縁のなかった私が芦刃物に入社して右も左もわからなかった頃、先輩方が1から丁寧に仕事を教えてくれました。

それはいまでも変わらず、どうしてもうまくいかないときにアドバイスを求めると、自分では気が付かなかったコツを教わることが多々あります。


しかし、ものづくりの仕事というのは結局のところ自分の感覚をどれだけ慣れさせるかということもあって、教えてもらったことを実践してもすぐにうまくいくわけではありません。

そこには熟練者と非熟練者が自分でも気が付いていない微妙な力加減の差であったり、体の動かし方、姿勢の違いというものがあると思っています。

なので、今回5人の職人の動きをデータ化することによっていままで気が付かなかったわずかな違いを見ることができることを期待しています。


しかし、人の動きをデータ化するということは、そのデータをもとにロボットがそっくりそのまま同じことができるようになるのでは…なんていう想像をしてしまいます。

近い将来、人間国宝や伝統工芸士といった超一流の職人の技術を搭載したロボットが現れる日が来るかもしれません!

そんなとき、我々人間にしかできないこと、作れないものは何か…と自分に問いかけながら日々精進していきたいものです。

何はともあれ、計測結果が我々に結果が届くのはまだ先になりそうなので楽しみに待ちたいと思います。

芦刃物製作所のさらなる進化にご期待ください^^

(芦刃物 ホリバ)




2017/03/13  Comments(1) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(6)〜焼き入れをしています(17/03/06)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


今日は朝から細長〜い工場の一番奥で包丁の焼き入れという作業をしています。

焼き入れとは、簡単に言うと包丁を硬くして、ものが切れるようにする作業です。

そもそも包丁の材料は「鋼(ハガネ)」といわれる金属の板なのですが、焼き入れをする前は手で曲げられる程度の硬さしかありません。

そのままでは刃を付けてもすぐに切れ味が落ちてしまうため、硬くして切れるようにしなければいけないのです。

そのために、一度火の中に入れて真っ赤にした後、水や油で急激に冷やす「焼き入れ」という作業をするのです。

なぜ焼き入れをすると硬くなるのかというと…かなり専門的な話になってしまうのでそれはまた次の機会に。笑


何はともあれこの焼き入れという作業、1000度近い火の前で作業をするためかなり体力を使います。

そして、包丁の大きさや素材によって火の中に入れる時間も変わるので同時に神経も使う大変な作業なのです。

火なくして包丁作りは成り立ちません。

はたから見たら単純な作業をしているように見えるかもしれませんが、火と向き合い、火を知り、火を操ることができて初めて一人前の鍛冶屋になれるのだと思います。


芦刃物では一度に約200〜300丁の包丁を焼き入れするのですが、月に2・3回程度しか焼き入れは行われないのでなかなかお目にかかることはないと思います。

もし見学に来られた際に運よく焼き入れを見ることができたら、“鋼の板”から“包丁”に生まれ変わるその様子をじっくりとご覧ください^^

(芦刃物ホリバ)





2017/03/06  Comments(2) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(5)〜「Journeyman Blacksmith」 (09/04/23)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


2007年、夏の暑さがまだまだ残る9月のある日、彼は芦刃物にやって来た。

背はスラっと高く、髪はブロンズヘアー、瞳はブラウン。少しシャイだけど23歳とは思えない落ち着きを見せる彼は、米国のニューメキシコ州サンタフェから遥々、大阪は堺へやって来たのだ。

彼の名は"Shehan Prull"(シハン・プルール)。
肩書きは"Journeyman Blacksmith"、人呼んで「さすらいの鍛冶職人」だ。


日本へやって来たのは刃物の勉強のためである。
日本の刃物といえば、刀鍛冶や包丁鍛冶、鋏鍛冶など多種多様で世界的にも有名である。

彼は12歳の頃より、有名な鍛鉄作家の下修行を積んでおり、鍛鉄に関しては既に素晴らしい技術を持っていたので、今日までの日本滞在約一年半、刃物の勉強の側ら、本業である鍛鉄の作品も数多く製作した。

その技術とセンスの高さから各方面より鍛鉄製作を依頼され、しばしば刃物修行の時間が取れないこともあったが、その飲み込みの早さから着々と刃物に関する技術を会得、沢山の刃物も製作していった。

彼は”ナイスガイ”そのものであった。
来日して短期間であるにもかかわらず、多くの友人が出来たことでも分かる。なんと言うか、日本人より日本人だったりするのだ。頼まれたり、誘われたりすると「No」と言えない米国人なのだった。


そんな彼が一昨日、日本を発った。
一度帰国して、次は英国をさすらうのだ。

思えば彼にはいろいろと教えられた。
鍛鉄の技術はもちろん、それ以外に勤勉さ(ペラペラの日本語は独学!)、何にでも好奇心、向上心を持って挑む姿勢、型にとらわれず自由な発想を楽しむこと・・・。そして日本の文化をとても愛していた。

何だか日本の良さを思い出させてくれるような米国人でした。そんな彼の素敵な鍛鉄作品、当工場や堺刃物ミュージアムで見ることが出来ます。一度、機会があったら見ていただけたら幸いです。

今回久しぶりとなる「芦刃物あれこれ」は、芦刃物の歴史に大きな足跡を残した「さすらいの鍛冶職人」をご紹介しました。


最後に一言。「ありがとうシハン」。(芦刃物高田)


photo: Shehan Prull作・芦刃物製作所の包丁看板



2009/04/23  Comments(19472) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(4)〜「屋上緑化(後編)」 (08/09/01)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


屋上緑化を敢行してからはや2ヵ月、暑かった熱かった2008年の夏も終わりをつげようとしています。


緑化ということで振り返ると、“屋上緑化”よりも“グリーンカーテン”という言葉を新聞紙面などでよく目にしました。

ゴーヤ、ヘチマといったつる状植物を壁や窓にはわせて、夏の強い日差しを和らげる“グリーンカーテン”。室温の上昇を抑えることで冷房の使用量を減らすだけでなく、植物が二酸化炭素などの温室効果ガスを吸収するので、地球温暖化対策につながる。

さらに、育ったゴーヤなどを収穫できるという二次的な喜びもあり、かなりの普及をみせているようです。


地元堺市の小学校8校が、ゴーヤを育てグリーンカーテンの効果を検証したところ、室温を最大3.8度抑えられたそうです。3.8度違えば随分涼しく感じられることでしょう。

芦刃物の屋上緑化大作戦(!)はというと、そこまでの効果があったとは口が裂けても言えませんが、多少は温度上昇を抑えられたのでは?と感じています(信じています・・・)。


しかし、一番効果があったのは“癒し”の効果でしょう。屋上に上がると緑が目に飛び込んできて、ホッと一息つく。そして緑に声をかける。ホンの些細なことだけど、とてもリフレッシュできます。

さらにいうと、一企業として少しでも地球、自然に対してお返し出来ているかな、責任を果たせているかなという気持ちの充実でしょうか。


これを期に、芦刃物製作所はチーム・マイナス6%に参加しています。みんなで力を合わせて地球温暖化を防止しようというプロジェクトです。興味のある方は参加してみてください。

これからも“環境にやさしい刃物や!芦刃物”をモットーに取り組んでいきます。(芦刃物高田)



photo:近所の旧町屋でみかけたゴーヤのグリーンカーテン

2008/09/01  Comments(2909) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(3)〜「屋上緑化(中編)」 (08/07/24)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


屋上緑化を敢行するにあたって最重要視したのは、メンテナンスの点。水やりや追肥が楽で、枯葉掃除や雑草ヌキの必要がほぼ無いこと。つまり手間が掛からず、仕事に支障をきたさないこと。


導入コストも出来る限り抑えたいけど、多少コストが掛かっても手間が掛からないシステムをと以前より模索していました。


そして今回導入したのは、ブルー・ジー・プロ株式会社のトレー式屋上緑化システム、その名も「てまいらず」!!


そのまんまのネーミングでびっくりですが、50cm四方の植木トレーを並べていくこのシステムは、既存の床をいじることなく簡単に緑化が出来、後々移設が必要な時も簡単に行えます。


そしてトレーに植わっているのは、一般にセダムとも呼ばれる多肉植物で”メキシコマンネングサ”。サボテンの仲間で常緑、葉に水分を蓄えるので乾燥に強いんだそうです。


気になる”手間”の部分ですが、水やりはまず必要なし。自然の雨だけで充分、雨が降らなくても2週間ぐらいなら全然大丈夫とのこと。ホホホ、これはこれは、たのもしい限りです。


追肥と雑草ヌキ等は年に1〜2回行うだけで良いということで、このシステムに決定したのでした。5月にはかわいい黄色い花が咲くそうです。また楽しみがひとつ増えました。


さてさて、導入してから約3週間。効果のほどはと申しますと、、、。(芦刃物高田)


(まだつづく・・・)


photo: どんどんと勢力を拡大させる”メキシコマンネングサ”

2008/07/24  Comments(3833) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(2) 〜「屋上緑化(前編)」 (08/07/08)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


ここ堺でも先週末から、チラホラとセミの声がするようになってきました。いよいよ暑い暑い夏がやって来ます。

この時期、芦刃物の工場、特に柄付け、検品作業等を行っている2階の暑さは尋常ではありません。

階上は屋上になっていますが、その屋上の床が太陽の日差しで熱せられ、その放射熱が2階部分へと降りそそぎます。

また階下からは、火造りや焼入れ作業に使用する炉の熱気が上へ上へと上がってきて、まさに魚焼きグリルの両面焼き状態なのです、、、。


そこで!少しでも2階の暑さを緩和させるべく、屋上緑化を敢行しました!(芦刃物高田)


(まだまだつづく・・・)


photo: 芦刃物製作所の屋上緑化

2008/07/08  Comments(3602) | Trackback(0)

芦刃物あれこれ(1) 〜銀香 (06/12/01)

カテゴリー名:”芦刃物あれこれ”


このところ一日一日がすごく早くて、一週間や10日があっという間に過ぎてしまいます。

書き込みが滞っている間に、気がつけば12月。もう2006年も終わりです。


芦刃物製作所では様々な刃物を製作販売していますが、その中でも大変ご好評頂いているのが当社オリジナルブランド”銀香”です。

銀香は「ぎんが」と読みますが、銀香シリーズの牛刀やペティナイフ、洋出刃や中華包丁などすべてに「銀香」の刻印が刻まれています。

その刻印、「銀香.」と「銀香」という2種類があります。この「.(てん)」は落款なのですが、この落款の有無の意味は?


これは鋼材の違いになります。落款すなわち「.(てん)」があるものはステンレス、ないものはハガネという風になっています。見分けやすく目印にしているということですね。


この”芦刃物あれこれ”では、芦刃物製作所に関するいろいろなことを紹介、お知らせしていきます。(芦刃物高田)



photo: 包丁に刻まれた「銀香.」

2007/01/01  Comments(10476) | Trackback(0)